一年を通してかわいそうな野良猫の相談があります
野良猫に餌を与えるのは良いことではありません
繁殖して自分だけではどうにも出来なくなって近隣の迷惑になります
では、避妊去勢の手術をすれば餌を与えても良いのか、
餌を与えるなら今以上に増やさないことは最低限必要ですが、他所のお宅のお庭を荒らしたり、寝床や排せつ場所にしたりという迷惑は手術をしても変わらず、餌やりを続けていては野良猫は嫌われものになります
外で餌を与えることが迷惑につながるのです
手術をしたからと、後のことを考えずに餌やりを続けていては周囲に我慢を強いることになるかもしれません
数年以上の付き合いの餌やりおばあちゃんがおります
近所の餌やりおばあちゃんは、今は何匹の猫に餌やりしてるか、手術した猫かしていない猫なのか、最近は視力が落ちてはっきり見えないそうで
「耳カットがあるんだかないんだか、よく見えないんです」と…
以前は、新しい猫が来ると、手術したいから協力して欲しいと連絡をよこしていたけど
今は以前ほど熱心な給餌はしていないようです
ここのおばあちゃんが餌やり出来なくなったら猫達はご飯を食べられないかというと、近くに他にも餌付けしているお宅が何軒かあって、猫達は行ったり来たりしています
数年前、捕獲の相談をされたころは、おばあちゃんはTNRに燃えていました。
もっと何年も前に猫がたくさんいた時があって、どこからだったか捕獲の手伝いに来てくれて全部TNRしたのだそうです。それでそれからしばらくしてほとんど猫がいなくなったんだと
じゃあまた餌やりして増やしたのですか?というツッコミはしないであげましたが🙄
おばあちゃんは、以前みんな手術をして何年かでいなくなったという輝かしい?過去があるので捕獲に燃えていました。
その頃は、、
結論から言うと、「全部」の猫をTNRするというのはなかなか出来ることではなく、というか無理と思います。
最初に確認した猫だけでも全部捕まえられるかどうか分からない。捕獲器に入らない猫もいるし、捕まえられないでいるうちにいなくなってしまうことも
いつの間にか知らない猫が混じっていたり
いなくなったと思ってた猫が立派に育てた子猫を連れて現われたり
次から次へと入れ替わりの猫達に、
昔やったときは上手くいったのに、
何だか次から次ですね、と苦笑い...
上手くいかないというより、昔々TNRしたときはたまたまその後には猫が増えなかったというだけ
いくら捕獲しても、耳カットのない猫がふつーーに現われる
捕まらない猫が出産して子猫を連れて来る
こっそりご飯をあげるような、こちらが知らない餌やりがいたら、目に見えるところにはに出て来ない猫もいるし、捕獲器を警戒した猫は、安全な方でご飯をもらい、危険かもしれない場所には出て来ない
餌やりおばあちゃんは、最近は未捕獲の猫が来ることに疲れたようで、
目が見えなくなって、
血圧が上がって具合が、、と捕獲作業が出来ない言い訳をするようになりました
最初にTNRをしたいと言った時から、ご飯をあげてる子達を保護して里親募集した方が良いと話しをしました
「あら、そうなんですか!?」と驚いて、
でもあそこのお宅も、あちらも、餌だけやってるんです
手術しないといけないですよね
この子達を保護してもまた別の猫が来ますから、
みんな保護するのは無理ですから、お世話します。と
また別の猫が来るのは餌を与えるからで、餌やってるうちはキリがないですよ
って言ったら
10匹くらい食べに来ているんだと、
それをみんな保護するのは無理だからと
たしかに、餌をやるなら手術はしないといけない
飼い主のいない猫に餌を与えるならみだりに繁殖させないで周囲に迷惑をかけないようにしなければならないです
3.飼い主のいない猫へ 食べ物 を与えている方へ
飼い主のいない猫も、元は飼い猫で、飼い主が飼育できずに捨てたり、不適切な飼い方による繁殖によって、飼い主のいない猫になったものです。「 かわいそうだから 」と食べ物を与えることは、より多くの不幸な猫を増やすことにつながります。
飼い猫として室内飼育に移行するのが理想ですが、自宅等の庭先 などで食べ物 を与える場合は 、近隣の迷惑にならないよう、 敷地内にトイレを用意し 、不妊 ・ 去勢 手術を行うことが 最低限必要です。
さらに近隣の住民の方々の理解を得る努力をしましょう。
(仙台市『飼い猫』と『飼い主のいない猫』の適正飼育ガイドラインより抜粋)
仙台では条例もあり、不妊の手術の他にも、
人に迷惑が掛からないようにすることと定められています←これが無理
「ご飯をあげてるのは耳カットの猫です、って話ししてます」
「新しい猫が2匹も来てました」
「ボランティアさんが協力してくれてますって言っていいですか?」
いいですよ、いいんですけど
そのお世話、いつまで続けるんですか?
って話しです
私達のところには、様々な理由で餌やりを続けられない、やめるという相談がたくさん来ます。
餌やりは、やめて欲しいと言っても止めない
言っても無駄だなどと言う人もいますが、
実際に餌やりおばあちゃんは言っても聞いてくれなかったけど
でも餌やりを続ける限りいなくなることはない野良猫に
終わらない餌やりをいつまでもずっと続けられる人はいないのではないでしょうか
避妊去勢はしても、
元気な猫達が近所のお家の屋根を走り回ったり
設置したトイレじゃない場所にウンチをしてしまう、しかもかりんとうじゃない柔らかウンチだったり
畑を荒らす
車のタイヤで爪とぎ
植木に爪とぎや尿マーキングと
周囲に被害が出てしまうことは少なからずあります
近隣の迷惑になっていても、
もしかして苦情を言われても
でも、TNRすれば増えないから、
そのうちに減っていくから
いなくなるまで餌やり続ける?
TNR 活動は、
地域猫活動の基本となる考え方で、飼い主のいない猫の繁殖を抑え、自然淘汰で数を減らしていくことを目的に、
捕獲(Trap)し、
不妊去勢手術(Neuter)を施して
元のテリトリーに戻す(Return)活動のこと
だそうです
けれど
TNRされていない猫は繁殖します
生まないのは手術した猫だけ、
減りもしないし増えます
TNR活動が本来の目的の通りに、暮らしていた場所でそのまま生きて命が尽きて数が減っていくには、繁殖する個体がほとんどなくなるくらいに捕獲をしなければならない
そうでなければ、TNRした個体が繁殖しなくても、TNRしていない個体の繁殖が勝り、十分に子孫を繁栄して、もらえる食糧の分の数が生き続けることになります
そして、減るということは、その猫の命が尽きて死んでしまうこと
ガイドラインのコラムでも、
自然淘汰で数を減らしていくことを目的に、と書かれています
極寒の冬に寒さで死んでしまったり
食糧にありつけずにガリガリになって力尽き、
夏の暑さに倒れ、ケガや病気で骨と皮だけになってひっそりと死んでいくのに、
ほんとに、そうやって野良猫に死んで欲しくてTNRするのだろうか
かわいそうな野良猫を減らすためにやってるんだと
あまり深く考えずに、
望まれない命を生ませないことが、かわいそうな野良猫を減らすことになってると思ってはいないだろうか
まだ生まれていない子猫を生ませなかったことは減らしたことにはならず
ほとんどの野良猫がTNRされて、繁殖しないで死んでいくことでやっと減るのです
でもそうはならない
繁殖が勝るから、
生まないのは手術をした猫だけ、手術をしていない猫は子孫を残すから
手術をした猫ですら、多くが一代限りにはなっていない、TNRされる前に次の世代を生んで子孫を残しているでしょう
手術をすることが重要ではない、ということではなく
餌を与えるなら手術はしなければならないし、TNRする私達やお世話する人にとってはその猫が生まないことはとても重要です
かわいそうだからと野良猫に餌を与えるなら、
餌だけやる理由を「野良猫だから」と言う人がいますが、
その野良猫に餌を与えるなら、
あなたの餌やり行為が、そこに食べに来る野良猫の存在が迷惑に思われないように、
誰かがではなく、餌を与える人が努力しなければならないんです
でも餌を与えているうちは、いくら手術をしても、かわいそうな野良猫はいなくならないのです
私達は、野良猫がその場所で暮らして良いと受け入れてもらうために、TNRすることに決めた猫だけのお世話にしてもらい
その猫達が飼い猫になれるようお手伝いをします
最初にも書きましたが、野良猫を見ても安易に餌を与えるのは良いことではありません
その猫が痩せていないなら、近くでご飯をもらえています
野良猫が生きているのは人から餌を与えられているからです
あなたが餌を与えなくても生きているのですから、飼ってあげられるのでなければ、手を出さず何もしないで見守って下さい
もしも餌を与えるなら、餌を与えるだけでは猫を事故やケガ虐待の危険から守ってあげることは出来ないし、糞尿やマーキング、毛の飛散、猫同士の喧嘩など周囲に迷惑になります
野良猫の問題は餌を与えることで起こります
良いことをしたつもりでも、餌やり行為は猫を嫌われものにするだけです
かわいそうに思うなら、外ではなく、室内で飼育してあげて下さい
餌をあげていても、周囲の反対、家族からの反対や近所からの苦情
生活環境の変化、引っ越しで猫は連れて行けない
職場が変わって餌やりに行けない(通勤や職場周辺で与えていた、工事現場で与えていたなど)
体調が悪くなってもう餌やりに行けない(餌やり場所が自分の敷地じゃないのにTNRした)
様々な理由で餌やりを続けられなくなる人はたくさんいます
でも、どうせずっとは続けられないことです
餌を与えているうちは野良猫はいなくならないから
だから餌を与えている人が、外での餌やり行為をやめることこそが、かわいそうな野良猫がいなくなるための方法です
どんなにすごい数のTNRをしても、
遺棄したり、みだりな繁殖や逸走させてしまうなどの不適切な飼育
野良猫だからと餌を与える行為を続けていたら何も変わらないのです
その猫が幸せな一生を送れるかどうかは、かかわる人次第です
みんな室内で終生暮らせるように、飼い主のいない猫が、飼い主のいる猫になれるよう
私達も、ご飯をもらえなくなる猫を助けたいし、
野良猫に餌を与えている人が餌やりをやめられるように協力をしていきたい
外で餌やりをしようと考えないようにすること
餌やりした猫は、責任を持って室内で暮らせる飼い猫にしてあげられるよう努力して欲しいと思います
仙台市では条例があります「仙台市人と猫との共生に関する条例」
条例本文より、市民等の役割を抜粋
市民等は、猫が苦手な者がいることに配慮するとともに、地域猫活動その他の飼い主のいない猫の適正な管理の重要性について理解するよう努めるものとする。
飼い主のいない猫に給餌を行う場合は、
二、当該猫が人の生命、身体若しくは財産に害を加え、生活環境の保全上の支障を生じさせ、又は人に迷惑を及ぼすことがないようにすること
とあります
「元気な猫達が近所のお家の屋根を走り回ったり
設置したトイレじゃない場所にウンチをしてしまう、しかもかりんとうじゃない柔らかウンチだったり
畑を荒らす
車のタイヤで爪とぎ
植木に爪とぎや尿マーキング」
このような被害を与えることがないようにすること
ということです
飼い主のいない猫の適正な管理の重要性について理解するように努めれば努めるほど
人の生命、身体若しくは財産に害を加えないようにするためには
外で餌を与えることではなく、室内で飼育するべきという結論になります
参考資料
環境省
動物の愛護と適切な管理
動物愛護管理法
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/1_law/index.html
他、
基準のページ
「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」(PDF)
関連資料のページ
パンフレット・報告書等
「住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン」(PDF)
仙台市
動物管理センター(アニパル仙台)
動物愛護のための業務
仙台市『飼い猫』と『飼い主のいない猫』の適正飼育ガイドライン(PDF)
仙台市
動物管理センター(アニパル仙台)
動物愛護管理行政に係る仙台市の取り組み